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04

DUCTWORK & LAYOUT

集塵配管の規格と経路

残っているのは、実際に空気が通る道をつくること。
つまり、集塵配管だ。

集塵機をどこに置き、どのように制御するかについては長い時間をかけて考えてきた。しかし、その集塵機と各木工機械をつなぐ配管については、まったく知識がなかった。そこで今回も、まずは基本的な原理から勉強することにした。

集塵配管の基本原理に関する参考資料

集塵機の吸引力がどれほど強くても、配管が長くなり、細くなり、急激に方向を変えるほど、抵抗は大きくなる。
結局、重要なことは思っていたよりも単純だった。

  • できるだけ短く。
  • できるだけ直線的に。
  • 方向を変える必要があるなら、できるだけ緩やかに。
  • そして、曲がりやすく内側の表面にも凹凸があるFlexible Hoseは、どうしても必要になる最後の区間だけに、短く使用すること。

何か特別な原理を発見したわけではない。それでも、その後の配管構成を考える基準のほとんどは、ここから始まった。

Powertec, ABS Dust Hose Connector
Powertec, Dust Control Flex Cuff with Hose Clamps

複数の機械をひとつの集塵機へ接続するには、当然、途中で配管をいくつかに分岐させなければならない。

配管について何も知らなかった私は、Y字型にうまく分けて接続すればよいのではないか、と単純に考えていた。
T字型のコネクターよりもY字型のほうが、空気の流れを妨げにくいのではないか。その程度のことは考えていた。

しかし集塵配管について調べていくと、空気の流れに方向性がある集塵システムでは、左右へ均等に分かれる大文字の「Y」のような形よりも、メイン配管の流れを維持しながら、片側の枝管が斜めに合流する小文字の「y」に近い形が多く使われていた。

Powertec, 90˚ Elbow for 4″ OD Dust Collection Pipes
POWERTECの90˚ ElbowとClear PVC Pipeを接続したところ
アトリエに設置したWye Fitting。対応する木工機械の集塵口の位置に合わせ、下向きまたは上向きに設置した。

集塵配管内の空気と木くずは、集塵機へ向かって高速で移動している。その流れが分岐点で急激に方向を変えると、それだけ乱流と抵抗が大きくなる。一方、枝管が本管へ緩やかな角度で接続される構造なら、空気の進行方向を大きく変えることなく、自然に流れへ合流させることができる。
そのため、一般的な木工用集塵配管では、直角に接続されるTeeや左右対称のY字型よりも、枝管が45度ほどの緩やかな角度で合流するWyeが多く使われている。

このことを勉強してから、実際に購入するためにy字型の集塵配管用コネクターを探してみると、そのほとんどが、私の探していた形を「Wye Fitting」と表記していた。
そのため最初は、大文字のYと小文字のyを区別するため、後者をWyeと呼んでいるのだと思っていた。あとで調べてみると、特にそういうことではないらしい。

Powertec, Hangers for 4″ Dust Collection Hose and Pipe

さまざまな種類の配管継手を探しているうちに、それぞれの部品名にも少しずつ慣れてきた。
方向を曲げるものはElbow、直角に分岐するものはTee、緩やかな角度で分岐するものはWye、異なる直径の配管同士をつなぐものはReducer。
名前を知らなくても配管を接続するうえで大きな支障はないだろうが、少なくとも何という言葉で検索すればよいのかはわかるようになった。

そして実際に部品をひとつずつ注文し始めると、考えてもいなかった問題がひとつ出てきた。

配管の規格。
ああ……本当に、簡単なことがひとつもない。

atelier summerの建築時に、地下の集塵室から1階まであらかじめ埋設しておいた配管は、韓国で一般的に使われている100A VG2 PVC Pipe。
一方、木工機械用の集塵システムには北米製品が非常に多いため、そのほとんどが4インチ規格を採用している。

100mmと4inch。
4inchをmmに換算すると101.6mm。

この程度なら、だいたい同じ規格だろうと思った。
しかし、違った。
(ああ、配管くらい世界共通の規格を使ってくれないものだろうか?)

建物に設置した100A VG2 Pipeの外径(OD)は約114mm。
一方、購入したPOWERTECの4″集塵パイプは、実際に測ってみると外径が約100mmだった。

その差は、なんと約14mm。
また北米のヤード・ポンド法のせいか! と腹を立てかけたが、実際にはそれだけが原因ではなかった。

パイプにはNominal Sizeという考え方があり、製品名に記載された数字が、実際の外径や内径をそのまま示しているとは限らない。
さらに、集塵用ホース、集塵用パイプ、配管用PVCでは、製品によってInner Diameterを基準に表記する場合と、Outer Diameterを基準に表記する場合がある。

結論はひとつ。
パイプは、名前だけを信じてはいけない。
接続する製品の実際の内径と外径を、ひとつずつ細かく確認しなければならないということだ。

Main Intakeから立ち上がり、機械のある方向へ分岐する部分までは韓国の100A規格を使い、それ以降には4インチ配管を使用した。

すでに建物内へ埋設した100A配管を取り外すことはできない。だからといって、今後使用する北米の集塵アクセサリーをすべて韓国の配管規格へ合わせることも、長期的にはあまりよい方法ではなさそうだった。
そこで、無理にひとつの規格へ統一しないことにした。

建物に含まれる区間には、韓国の100A規格。
実際の木工機械を接続する作業場の集塵システムには、北米の4″規格。
そして、その境界には100Aと4″を接続するReducerを入れる。

考えてみれば、むしろこれが最も単純だ。
地下から立ち上がった100A VG2配管は、Main Intakeを通り、木工機械が設置される左右2方向へ分岐する地点まで使用する。その先を4″集塵システムで統一すればよい。
そうすれば、あとから機械やアクセサリーを追加するときにも、北米で一般的に使用されている4″製品をそのまま使える。

Powertec, 4” Clear PVC Pipe (4” x 36”)
各機械へ分岐する部分は、ElbowまたはWye Fittingの先を短い直線パイプで仕上げ、そこへBlast Gateを直接接続できるようにした。

作業場側のメイン配管として選んだのは、POWERTECの4″ Clear PVC Pipe。
長さ36inchの、硬質で透明なPVCパイプだ。

配管を透明にしたかった最大の理由は、集塵配管の詰まりを目で簡単に確認できること。
木工作業で発生するのは、一定の大きさに細かく砕かれた木くずだけではない。そのため集塵配管の内部には、木くずだけでなく、想像以上に大きな木片や細かな物まで一緒に吸い込まれる可能性がある。
不透明な配管のどこかが詰まった場合、区間ごとに配管を外しながら原因を探さなければならない。しかし透明なら、少なくともどこで問題が起きているのかをすぐに確認できる。さらには、集塵が実際にうまく機能しているかどうかも、ある程度は目で把握できるという利点がある。

そして正直に言えば、見た目がきれいなところも気に入っている。
透明なパイプの中を木くずが勢いよく流れていく様子も面白そうだし、壁にまっすぐ整列した配管も、最終的にはインテリアを構成する要素のひとつだから。
どうせ配管を隠せないのなら、むしろきちんと見せる方向へ。

Main IntakeのClean Outと分岐点、その先から各機械へ向かう配管で、規格と素材が分かれている様子

集塵効率を考え、メイン配管はできる限り硬質なRigid Pipeで構成し、Flexible Hoseは各機械へ接続する最後の区間だけに使用することにした。

Rockler, Dust Right Anti-Static Dust Hose 4”
カーボンブラックを配合し、静電気の発生を抑えた長さ3mの蛇腹ホース、Rockler Dust Right Anti-Static Dust Hose 4”

Rigid Pipeは内側が滑らかで形状も一定だが、蛇腹状のFlexible Hoseは空気の流れにより大きな抵抗を生む。
とはいえ、すべてをRigid Pipeで接続することもできない。
機械を整備するために少し動かす必要があるかもしれないし、機械ごとに集塵ポートの位置や向きも異なる。そのため、一定の範囲内で自由に動かせる構造が必要になる。

また、集塵システムそのものに問題があるのではなく、一時的に吸い込まれた大きな木片が集塵口を塞いでしまった場合、固定された配管では細長い道具を使って押し出したり、詰まりを取り除いたりする必要がある。
一方、Flexible Hoseなら持ち上げて振り、中身を落とせるという利点もある。

そこで、Main Intakeから各木工機械へ続くすべての分岐までは、POWERTECのClear PVC Pipeを使用する。
Blast Gateから機械までの短い区間には、Rocklerの4″ Dust Right Anti-Static Flexible Hoseを使うことにした。

RigidとFlexibleの役割を明確に分けたというわけだ。

あらかじめ用意した部品を使い、各機械の方向に合わせて配管を固定したところ

配管の位置は、機械の配置を設計した段階で、すでにほとんど決まっていた。
Main Intakeから立ち上がる配管を左右へ分け、壁に沿って各機械の位置まで送る構造だ。
壁に設置する配管なので、機能と同じくらい整列の美しさも重要だった。

レーザーレベルで基準線を出し、できる限り垂直と水平を揃えて設置することにした。
各機械の手前ではWyeまたはElbowで方向を調整し、iVACのMotorized Blast Gateを通したあと、短いFlexible Hoseで機械へ接続する。

木工粉塵が流れる順序を簡単にまとめると、

Woodworking Machine
↓
Rockler 4″ Anti-Static Flexible Hose
↓
iVAC Motorized Blast Gate
↓
POWERTEC 4″ Wye / Elbow
↓
POWERTEC 4″ Clear Rigid Pipe
↓
100A → 4″ Reducer
↓
100A VG2 PVC Pipe
↓
B1F Dust Collector

おおよそ、このような構造になる。
文章にすると数行で終わってしまうが、これを決めるために、いったいどれほど多くの製品ページと配管資料を調べたのかわからない。

Rockler, (L) Dust Right Lathe Dust Collection System / (R) Dust Right Cord and Hose Holder

もちろん、すべての機械が配管の先にホースを一本つなげば終わるわけでもなかった。
Band Saw、Jointer、Planerのように明確な集塵ポートが用意されている機械は、比較的簡単だ。
(実は、購入したBand Sawには集塵用の排出口が2つあるため、その2本をひとつにまとめる作業が課題として残っているのだけれど)
少し曖昧だったのは、Wood Latheだ。

まず、まだ実際に使ったことがなく、Wood Latheの使い方や動作をよく理解していないことが最大の問題だった。
興味があって購入し、その興味の分だけYouTubeでも非常に多くの動画を見てきた。しかしWood Latheは加工する材料そのものが回転し、切削位置も常に変化する。そのため、ほかの木工機械のように集塵口を一定の場所へ固定できない構造になっている。

そこで、ここにはRocklerのDust Right Lathe Dust Collection Systemを使うことにした。
作業に合わせて集塵フードの位置を動かせる構造で、Wood Latheの後ろ側から、加工箇所へできるだけ近づけて使用する。

Rockler, Dust Right 2-1/2” FlexForm™ Hose Kit

作業台で使う機械についても、必要に応じてホースの位置を動かせるよう、Dust Right Cord and Hose Holderのようなアクセサリーを用意した。
配管全体を無理にひとつの方式へ統一するよりも、最後の数十センチメートルは、それぞれの機械の使い方に合わせたほうが、ずっと現実的だろう。

最終的に、機械へ接続する配管のために用意した部品は次のとおり。

POWERTEC 4″ Clear PVC Pipe 36″ × 10
POWERTEC 4″ Wye × 3
POWERTEC 4″ Elbow × 3

Rockler Dust Right 4″ Anti-Static Flexible Hose × 5
Rockler Dust Right Lathe Dust Collection System
Rockler Dust Right Cord and Hose Holder
Rockler Dust Right Mountable Dust Coupler × 2
Rockler Dust Right Flared Quick Coupler, 4” Port to 2-1/2” Hose
Rockler Dust Right Flared Quick Coupler, 4” Port to 4” Hose × 2
Rockler Dust Right 4” Rubber Union for Dust Collection × 3
Rockler Dust Right Schedule 40 PVC Adapter, 4” PVC to 4” Hose × 3
Rockler Dust Right 2-1/2” FlexForm™ Hose Kit
Rockler 4” Keyed Bridge Hose Clamps, Pack of 5 × 5

そして、建物側の配管に使用したもの。

100A VG2 PVC Pipe
100A Wye × 2
100A Cleaning Cap

Main Intakeから集塵機へつながる建物側の配管で問題が起きると、解決するのが非常に難しくなる。そのため、手の届きやすい場所に、清掃用のClean Outを別途設けておいた。

最後に、2つの規格を接続するための、
100A VG2 → 4″ Dust Collection Pipe Reducer × 2

当初はパイプ数本とホースだけを購入すればよいと思っていた。しかし、こうして並べてみると、これもなかなかの量だ。

木工機械を設置する場所には、用途別に分けた電源コンセントを配置している。上部に設置した、カバー付きのJUNGコンセント。

これで、集塵システムに必要な準備はおおよそ整った。

集塵機を作業スペースの外へ移し、
iVACを使って木工機械、Blast Gate、集塵機が連動するようにし、
Raspberry Piを使い、見えない集塵機の状態を確認できるDashboardをつくり、
最後に、各機械まで空気が通る配管を構成した。

各機械の位置には、個別のブレーカーから直接つながる防塵型コンセントを下部に設置した。上部には、一時的に使用する電気機器を接続するためのカバー付きJUNGコンセントを配置し、舞い上がる木工粉塵に備えた。

もちろん、まだ完成と言うには少し早い。
Laguna C|Flux:3とiVAC MSCをつなぐ実際の制御回路を確認しなければならない。集塵機が本当に作動していることを示すRUN信号も、Dashboardまで接続する必要がある。
さらに、各機械の位置までは配管を設置してあるものの、実際の機械への接続はまだ終わっていない。

セットアップ前の地下集塵室。まだ集塵配管は接続されていない。

電気的な接続をすべて終え、すべての機械を所定の位置へ固定してから実際に動かしてみなければ、本当にうまく機能するかどうかは確認できないだろう。
どれほど資料を調べ、自分なりに考えてつくったシステムであっても、実際に木くずを吸い始めれば、予想していなかった問題が必ず出てくるはずだ。

どの機械で集塵能力が不足するのか。
どの区間で木くずが詰まるのか。
ゲートと自動化システムが想定どおりに動くのか。
Dashboardの表示は正常に機能するのか。

それはもう、机の前で考えているだけではわからない。
事前にできる準備は、ひとまずここまで。

あとは実際に使いながら、ひとつずつ確かめていくことにしよう。

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